ACTOR


Clint Eastwood クリント・イーストウッド

1930.5.31 サンフランシスコ生まれ

1985. 「ペイルライダー」カンヌ映画祭 パルムドール金賞ノミネート。

1988. 「バード」ゴールデン・グローブ賞 最優秀監督賞受賞。カンヌ映画祭 パルムドール金賞ノミネート。

1990. 「ホワイトハンター、ブラックハート」カンヌ映画祭 パルムドール金賞 ノミネート。

1993. 「許されざる者」アカデミー賞 最優秀作品賞、最優秀監督賞受賞。主演男優賞ノミネート。ゴールデン・グローブ賞 最優秀監督賞受賞。

1995. アカデミー賞 サルバーグ賞受賞。

1996. 「マディソン郡の橋」セザール賞 最優秀外国映画賞ノミネート。

2003. 「ミスティック・リバー」アカデミー賞 作品賞、監督賞ノミネート。ゴールデン・グローブ賞 作品賞、監督賞ノミネート。カンヌ映画祭パルムドール金賞ノミネート。

2004. 「ミリオンダラー・ベイビー」アカデミー賞 最優秀作品賞、監督賞受賞。主演男優賞ノミネート。ゴールデン・グローブ賞 最優秀監督賞受賞、音楽賞ノミネート。

2006. 「父親たちの星条旗」ゴールデン・グローブ賞 監督賞ノミネート。
「硫黄島からの手紙」アカデミー賞 作品賞、監督賞ノミネート。ゴールデン・グローブ賞 外国語映画賞受賞、監督賞ノミネート。

2007. 「さよなら。いつかわかること」ゴールデン・グローブ賞 歌曲賞、音楽賞ノミネート。

2008. 「チェンジリング」ゴールデン・グローブ賞 音楽賞ノミネート。
「グラン・トリノ」ゴールデン・グローブ賞 歌曲賞ノミネート。

2009. 「インビクタス」ゴールデン・グローブ賞 監督賞ノミネート。



タイトル前の は、管理人主観のイーストウッド的満足度。 が最高。ただし採点は出演作品のみ。 は未見。

クライ・マッチョ(2021 監督・製作も)...マイク・マイロ
妻子を失い自分も怪我をして酒浸りになった元ロデオスターの役。妻から息子を取り戻したいという恩人の頼みでメキシコに単身赴いて半ば誘拐のように不良息子を連れてくる老人。さすがに無茶な演技はしなくなったというか、いろいろ配慮を感じるが、乗馬シーンがあったり鋭い眼差しやパンチをくらわせる シーンがあったりで、やはり並大抵のものじゃない。とにかく痛めつけられる描写がなくてよかった。何よりそれがよかった。もう生き神様みたいな人だもの、優しい表情は至高。ただこれが最後の主演監督作になるとしたらちょっと物足りない気がする・・。まだいけるよね・・?

リチャード・ジュエル(2019 監督・製作)
またまたイーストウッドらしい作品。実話で、爆発物を見つけた警備員が第一容疑者にされた話。リチャード・ジュエルは被害者で、加害者はクロと決めつけたFBIと彼のプライバシーを著しく侵害したメディアという構図なのだが、イーストウッドらしいと思わせるのは、加害者を悪として糾弾する作品ではないこと。 彼らは彼らの仕事を一生懸命やっている。ただ功績を求めるゆえ、行き過ぎたり大事なことをないがしろにしてしまったりする、という描き方で、その目線は常に傍観者であることが多い。イーストウッドが昔からそうだったとは思わないが、「世の中とはそんなものだ」と言われているようなある種の諦観と「だが世の中 まだまだ捨てたもんじゃない」という希望と感動を、ここ数年ずっと彼の作品からもらっている。

運び屋(2018 監督・製作も)...アール・ストーン
デイリリーの栽培でコンテストで受賞するほどだったのがインターネットに押されて事業失敗、麻薬の運び屋として高額報酬を得ていた実在の90歳の男性レオ・シャープに着想を得て生まれた役。長年ないがしろにしてきた家族との関係修復に目覚める、軽口をたたき人生を楽しんでいるように見える老人。主演・ 監督は「グラントリノ」以来10年ぶり。もう生き神様です。ありがたく拝むような気持でスクリーンを眺めてましたから、私。俳優イーストウッドの見納めになるかも知れないと思いつつ・・。でもちょっとエロっちいシーンがあったりして(笑)まだまだお元気だと確信したので、映画作りは続く ことでしょう。でもそんな思いを抱くくらい、もう「まとめ」に入ってますよ、アール・ストーンはご本人の懺悔と贖罪の象徴でしたよ、そして愛すべき素晴らしい傑作でしたよ(涙)

15時17分、パリ行き(2018 監督・製作)
実話の映画化に際して、主要人物3人は勿論、列車の乗客だった当事者も集めて再現するという、普通じゃ考えられない手法。スター俳優はおろか、役者に演じてもらう必要もないなんて。蓋を開けてみたら、役者でない違和感なんて微塵も感じなかった。とても自然体。誇張していると感じる部分もない。人生の 切り取られた一部を見せてもらっている・・という感触。そして今まで同様、作品としてメッセージを強く推しつけてくることはない。観客として、自由に感じ、受け止められるおおらかさがある。もう既にイーストウッドは悟りの領域に入っている感じがする。送り出される作品をありがたく甘受したい。

サッドヒルを掘り返せ(2017)...本人
「運び屋」見た後だったので尚更思うのだけど、なんかもう神様みたいになってますね。「続・夕陽のガンマン」のファンにとっての彼の崇高さというか・・。当時のスチール写真の彼がどれもかっこよくて溜息が出る。発掘・復元したサッドヒル(円形の墓地の決闘シーンのロケ地)に等身大シルエットが 立てられるのだけど、メチャクチャかっこいい!!シルエットだけで誰なのかわかる造形の持ち主って尊過ぎる。

ハドソン川の奇跡(2016 監督・製作)
安定と信頼。もうそれしかない。撮影中の写真を見たが、どう見ても86歳の顔つきじゃないし眼差しじゃないと思うほど、若々しく鋭い冴えを感じさせる。円熟というのも超えている。これはまだまだ傑作を生みだせる貌だ。この作品も、人間愛に満ち、ユーモアを感じさせ、映像に緊迫感が漂い、隙も無駄もない。 御大のテーマ曲が心に沁み、エンドクレジットで見られた機長夫妻と乗客の和やかなご本人映像が、御大の招待で撮影されたとなれば、もう尊敬しかない。見続けます、いつまでも。愛をこめて。

アメリカン・スナイパー(2014 監督・製作)
なんという力強さか・・砂嵐の中の銃撃戦のシーンを見ていて、イーストウッドの心の若さというかその驚くべきタフさに感動すら覚えた。やっぱり彼の師匠はセルジオ・レオーネとドン・シーゲルなんだなと思った。なんと、ラストの心に沁みるトランペットの曲の作曲者はモリコーネだ!その後の無音が 余計に余韻を深く重く留める。声高に訴えないが、見せたいものは全て提示されている・・イーストウッド作品の粋が凝縮された作品だ。

ジャージー・ボーイズ(2014 監督・製作)
イーストウッドの音楽のセンスには定評があるから、ミュージカルの映画化に全く意外性も不安も感じてなかったけど、予想をさらに上回る手堅い出来。そして抜群の安定感。心底楽しめた。イーストウッドらしさを感じたのは、やはり音楽の使い方のセンスのよさ、随所に顔をのぞかせるユーモア、 フランキー・ヴァリと娘のエピソード。三女の幼い頃を演じた女の子がすごい美少女だった・・そういえば。大人目線の娯楽映画だけど、これがグッとくる。イーストウッドの深い音楽愛を感じるいい作品です。

人生の特等席(2012 製作も)...ガス・ロベル
「グラン・トリノ」で俳優引退かと言われていたものの、当時確かブログに「いい役があればまた演じてくれるのではないか」と書いた気がする。それが実現したのが何より嬉しい。目の衰えによりいよいよ引退せざるをえない状況となって、周囲に対しては頑固に 否定しながらも、体の衰えに当惑する大リーグの老スカウトマン。老人といっても眼力も腕っ節もまだまだ力強い。口は悪いし頑固だけど、粋なジイサマだ。俳優イーストウッドをたっぷり楽しめた。

J.エドガー(2011 監督、製作)
真面目に、本当にどの部分も真面目に端正に描いているという感じ。フーバーが謎の多い人物だったからか、踏み込んだ描写というものをしておらず、ドラマとして山となる部分を作りづらかったのではないかという印象も受ける。しかし見応えはあるし、何より美しい音楽の 優しさが、イーストウッドのフーバーを描く際の優しい眼差しのように思えてくる。真実であろうとなかろうと、善悪どちらであったにしても、その人生をいとおしく思いつつ描いたことがラストシーンからも見てとれる。

ネルソン・マンデラ 和解への道のり(2010)

ヒアアフター(2010 監督、製作、音楽)
センスのいい落ち着いた雰囲気、さりげなく醸し出される大人の風格、心に寄り添うようなやさしい音楽。イーストウッド印の作品でありながら冒頭の津波の迫力は圧巻。でもその後じっくりと人間ドラマに持ってくのがさすが。死後の世界についても 誇張なし、押し付けなしで抵抗感なく観られた。

インビクタス(2009 監督、製作)
主演のモーガン・フリーマンから頼まれた仕事ということもあってか、イーストウッド本来の陰の部分が随分と和らいでいる感じはする。しかし大統領職について充実しているマンデラの私生活が、妻や娘との確執を抱えていて孤独だったことを描き出した部分に イーストウッドらしさを強く感じた。SPの面々や大統領秘書、ボグズのメンバーやピナール家のメイドなど、脇の人々に対する目線が温かい。

グラン・トリノ(2008 監督、製作も)...ウォルト・コワルスキー
妻に先立たれ、子供や孫ともうまくいってない孤独な老人。朝鮮出兵時の記憶が心の傷となっており、体の不調もあるものの、組立工だった頃の腕も達者な口も衰えていない老人だ。この役がご本人とは違うだろうとは想像がつくが、まるでこの老人、 今までの役者イーストウッドの集大成のような趣があり、ファンとしてはあのラストに涙を禁じえない。彼は人生の落とし前のつけ方と真の父性というものを教えてくれた。

チェンジリング(2008 監督、製作、音楽)
まず音楽がたそがれてて素晴らしい。息子が失踪して理不尽な警察の対応に打ちひしがれるクリスティン(アンジェリーナ・ジョリー)を包み込むように流れるメロディのなんと物悲しく優しいこと。それがそのまま作品全体に注がれるイーストウッドの 目線を象徴する。重い内容だが、じっくりと決して奇をてらうことなく観客の前に誠実に差し出された、とても彼らしい作品である。

さよなら。いつかわかること(2007 音楽)

トニー・ベネット ミュージック・ネバー・エンド(2007 製作も)
トニー・ベネットから話をきく、くつろいだ雰囲気が柔らかくていい。驚いたことに、トニーのではないが物真似まで披露してくれ、こんなの滅多に見られるものではない!ジャズ好きイーストウッドならではの嗜好が反映された作品だが、ナレーションはアンソニー・ホプキンスだし、マーチン・スコセッシやハリー・ベラフォンテ、アレック・ボールドウィンなどの インタビューなども豪華、トニーの歌声も新旧取り混ぜてたっぷり聴けるのも嬉しいし、クロスビー、シナトラ、ジュディ・ガーランド、アステア、シーン・ケリーなどの映画のシーンがたっぷり盛り込まれているのも楽しい。

硫黄島からの手紙(2006 製作、監督、音楽)
いくら通訳がいたり、英語訳の脚本を持っていたにしても、全て日本語(全てではなかったですね・笑)の映画の監督をするなんて、もう恐い物なしだなと・・すごい勇気だと思うのです。日本人俳優に英語ばかり喋らせなかった、もうそこだけでも拍手を送りたい。日本側サイドを描いたということで、日本の精神論や武士道、天皇万歳が出てくる のでイーストウッドとしてはあまり深入りできなかった部分もあるのではないかとはちょっと思う。でも家族を愛し守りたいと思う、同じ人間だという信念が強く感じられ、そこが胸に響いた作品だった。

父親たちの星条旗(2006 製作、監督、音楽)
一人の人間として老いて枯れて、監督として絶頂期にあるのではないだろうか。唸らされる傑作を立て続けに送り出してきた彼、今作品も全く期待を裏切らなかった。彼は俳優を信じて好きなように演技させてくれると言う。同じように観客を信じて作品を差し出してくれてるように思えた。 強い視点、強いメッセージがはっきりとあるのではないけれど、見せたいものをそのまま見せてそれぞれの感じ方に任せてくれる、そんな気がした。重い内容ながらエンターテインメントとしても気配りがあるし。息子のカイルが出ていて、「センチメンタル・アドベンチャー」以来で大きくなったなぁ〜って吃驚、当たり前か(笑)。 鼻の形はママ似だけど、顔の輪郭、目元口元は親父様によく似ております。

ミリオンダラー・ベイビー(2004)...フランキー・ダン
「ミスティック・リバー」も凄い作品だった。なのに次の作品がまたこんなに凄いとは。私はこちらの方が好きだ。しかも、主演より監督だけに専念しては・・という懸念も吹っ飛ばしてくれてしまった。あぁイーストウッド、貴方は素晴らしすぎる。口の悪い老トレーナー、今も筋肉のついた腕、 でも老眼鏡かけてゲール語の詩を読んでるし、究極は鼻水たらして泣いていた!これはさすがに驚いた。こんな彼は初めて見た。年をとるのも悪くはない・・そう思わせてくれる彼の姿に賞賛を贈りたい。

ピアノ・ブルース(2003 監督)

ミスティック・リバー(2003 監督)
まさに老練、手練れの監督と言っていいのではなかろうか。それぞれのカット、シーンに全く無駄がなくかえって展開の速さに驚かされたりもするが、俳優達の素晴らしい演技をじっくりと正面からとらえた映像は素晴らしい。音楽も担当、この悲しい作品をただ見守るような深い 眼差しを感じさせる愛情深さを湛えているかのようだった。強いメッセージを送ってはこないが、作品にこめられた愛と暴力の連鎖の悲しみは、そこかしこにこめられている。

アメリカン・ニューシネマ 反逆と再生のハリウッド史(2003)

クリント・イーストウッド 天性の直感(2003 TV)

ブラッド・ワーク(2002)...テリー・マッケイレブ
コード・キラーと呼ばれ、自分宛てにメッセージを残す連続殺人犯を追っていて心臓発作で倒れ、二年後に心臓移植して助かった元FBI捜査官。移植された心臓のドナーが殺されたと知り、 弱っている体をおして事件捜査を始める。体型も肌も随分 年を感じさせるようになっちゃったなと思うけれど、その演技に作品に感じられるイーストウッド流儀は全く色褪せていない。いい年のとり方だと思う。

クリント・イーストウッド アウト・オブ・シャドー(2000 TV)
俳優として監督として、一映画人としてのイーストウッドの姿をとらえたドキュメンタリー。本人の肩の力の抜けたコメントも大変好印象だが、彼と共演してきたジーン・ハックマンやメリル・ストリープ、ジェフリー・ルイスやイーライ・ウォラック、彼の作品に主演したフォレスト・ウィテカー、 監督仲間としてスコセッシやカーティス・ハンソンなどのコメントが印象深い。師匠ドン・シーゲルとのことなど、本当に興味深い。私はこのコンビが大好きなので。うんと初期のなかなか観ることの出来ない作品での貴重な彼の姿まで見られるし、ユニバーサルの俳優養成所での 写真とか少年時代の写真とか、お宝もたっぷり。懐かしい作品がわんさと出てきたが、私・・彼が歌ってる作品を全然観てないことに気がついた。なんでだ〜機会がなかったのかなぁ・・まだまだ彼を知る楽しみが残されてることがわかって嬉しい。

スペース・カウボーイ(2000)...フランシス・コービン(フランク)
チーム・ダイダロスのリーダー的存在で、行動力も体力もおおよそ老人とは呼びがたいタフな男。押しの強い役の演技よりも 監督としての愛を感じさせる粋な演出が光っているように思う。スカッとわかりやすいまとめ方とさっぱりした味つけが とても好感度高し。

トゥルー・クライム(1999)...スティーブ・エベレット
とにかく浮気な男ということで、23歳の若い女性を口説いたり 上司の妻とベッドで半裸で睦み合ったり、えええ〜・・という感じ。まだまだお元気なことで。勝手ですが、ストイックなイーストウッドの方が好きよ、個人的に(笑)。

目撃(1997)...ルーサー・ホイットニー
イーストウッドも随分年とったな〜と思うが、警官の制服姿やらダークスーツやらを着ると やっぱりかっこいいな〜と思うのは、体格や身のこなしのせいでしょうか。特に派手なアクションシーンなどはないけれど、何でも出来てしまいそうな不思議な存在感と 娘への深い愛が印象的。

真夜中のサバナ(1997 監督)
彼の作品は音楽がいいよねぇ。オープニングの「スカイラーク」もいいし、パーティーでの老婦人の弾くピアノもケヴィン・スペイシーの歌やオルガン(途中からメリーゴーランドの音楽みたいになるのがまたいい〜)も。娘のアリソンも一曲歌っちゃうんだから。レディ・シャブリの正体がわかる 場面にとってつけたようなBGMもお茶目。作品自体には大きな緊迫感も盛り上がりも わざとなのか全く作られていないのだけど、一人一人の人物を愛情深く丁寧に撮るところが好き。イーストウッドも丸くなったんだねぇ・・。

マディソン郡の橋(1995)...ロバート・キンケイド
カメラマン、ロバート・キンケイドの役。単身で世界を旅して気の向くままにシャッターを切るライフスタイルを貫く孤独な男でいながら、フランチェスカと出会って 自分の今までの全てが彼女と出会うためのものだったと言い切る程のロマンティスト。彼女をとても愛し欲していながら自ら奪おうとはしない、女から見ると 卑怯なのか思いやりのあるフェミニストなのか ちょっと悩むところである。そんな役柄同様、演技も抑えられている感じ。素敵だけど。

ヘンリエッタに降る星(TV 1995 製作)
イーストウッドが製作総指揮にあたっていたということ以外、何も知らずに観たのだけど、まずヘンリエッタというのは女性の名ではなく地名だった・・。石油発掘に情熱を燃やす老山師と 彼に「ここに石油がある」と言われてその気になってしまう貧しい農場主を中心にした物語。キャスティングがいいです。老山師にロバート・デュバル、 哀愁と力強さをたっぷり感じさせて素晴らしい。農場主にエイダン・クイン、この人本当に素敵だと最近思う。彼の妻役に「許されざる者」に出てたフランシス・フィッシャーで娘役は「八月のメモワール」でイライジャ・ウッドの姉だった人。さらにビリー・ボブ・ソーントンまで出てきた。知った顔がどんどん出てくるのも嬉しくて、 前知識を全く入れずに楽しむ映画の醍醐味を感じた。特に派手なことは起こらないけれど、じりじりと盛り上がり面白くなる 味のある内容にたっぷりと楽しませてもらった。

ザ・シークレットサービス(1993)...フランク・ホリガン
すっかり白く薄くなった髪、力の弱まった眼、息もはずみ苦しげに走る姿。ダーティハリーもこうなる・・と見せつけられたようだ。相棒を不幸にするのや皮肉な物言いもハリーみたいだ。だがハリーと違うのは、あそこまで毅然としてなくて JFKを救えなかった自責の念にとらわれていること。 孤独でないのもハリーと違うが、哀愁漂うシークレットサービスのフランクである。

パーフェクト・ワールド(1993)...レッド・ガーネット

ザ・ドキュメント・オブ・イーストウッド(1993)

許されざる者(1992)...ウィリアム・マニー
豚にひきずられて泥まみれになってます・・それはともかく、かつては列車を爆破して女子供も殺し 連邦保安官だって殺したという怖いもの知らずの極悪人だったという男。最愛の妻と結婚して骨抜きにされたように穏やかになった男が、金欲しさで賞金稼ぎに出掛ける。腕も気力も衰えたように見える彼が、ラストで かつての力を取り戻したかのような冴えを見せるシーンは圧巻。

ホワイト・ハンター、ブラック・ハート(1990)...ジョン・ウィルソン
人の話に耳を貸さない変わり者で通っている映画監督の役。でも言ってることは正しかったりする。自分の流儀を貫くために無茶して敵を作ってしまうタイプ。毒舌はハリーのようにチャーミングだが、あんな迫力はない。その中途半端がキャラ的に弱かったりする。でも長身の体躯はサファリルックでも白タキでも素敵。

ルーキー(1990)...ニック・パロブスキー
殺人課でもないのに危険な捜査に深入りして 命の危険に見舞われた男。なんだか彼の演じたいろんなキャラの顔をちょっとずつ持ってるような役ですね〜。捕われの身の時に、彼が拷問と称したシーン・・ウ〜ン、若いんですねぇ全くもう(苦笑)。考えてみれば刑事役はこれが最後?集大成として若いモンに次を譲るよ・・と考えれば 、それなりに深く感じ入るものもあります。

ピンク・キャデラック(1989)...トミー・ノワック
高飛びした凶悪犯を捕えて警察に差し出すのを仕事としている男。笑える方法と扮装で相手を油断させてお縄ならぬ手錠。依頼されたターゲットがニセ札大量に持って逃げてる女ということで、今度ばかりは簡単にコトは運ばないという筋立て。人情味を持たせ、あまり強引でもない。なんといってもコスプレが楽しい。顔芸もイーストウッドがやってれば それだけで笑える。

セロニアス・モンク/ストレート・ノー・チェイサー(1988 製作総指揮)

ダーティーハリー5(1988)...ハリー・キャラハン
すっかり有名人になってしまい、なんのかんのいってもその見事な功績から英雄的な存在にもなってしまったハリー。雑誌の表紙を飾り、マスメディアに追いかけられる彼は、最早私の愛するハリーでないような気すらするが・・。しかし強引で手荒い行動の数々は変わってなくて、マグナムを奪われても過激な大砲(ネタバレになるので 詳細は秘密)を容赦なくぶっ放す情けのなさには ひたすら恐れ入る。

バード(1988 監督)
バードと呼ばれたチャーリー・パーカーの音楽と 麻薬を断てずに苦しむ半生を描いた作品。パーカーへの、そしてジャズへの愛がいっぱいつまった思い入れたっぷりの作品だ。パーカー自身の演奏もふんだんに入れているし、会話などのシーンのバックに流れるジャズもとてもいい。そして色と光を抑えた深いブラウンの映像が大変美しく ムードがある。センスのいい作品だと思う。

ハートブレイク・リッジ(1986)...トム・ハイウェイ
古巣の海兵隊に戻ってきた古参軍曹。胸には名誉勲章がたっぷり、でも若手にも上司にも目の上のたんこぶみたいな存在。気の抜けたような部隊を押し付けられ、鍛え直すが、やがて信頼を勝ち取っていく。イーストウッド得意の"口は悪いが実力もハートもある男"。ただ引退間近という一抹の寂しさを漂わせる。

ペイルライダー(1985)...牧師
イーストウッドが牧師さんというのは、やはりどう見ても胡散臭いけれど、牧師さんのカラーというのは 男性を素敵に見せる衣装の一つだと私は思いますね。銀行の貸し金庫から拳銃を取り出し 白いカラーをはらりと落とすシーンが良かった。ガンマンスタイルになってからは、 歩くたびにブーツの金具がシャラシャラいうのもかっこいいし、帽子の砂をはらうだけでもかっこいい。キマッてる〜。

シティヒート(1984)...スピア
警部。元同僚で探偵になったマーフィー(バート・レイノルズ)と顔を合わせるとののしりあい。愛あるののしりだというのはすぐわかるが、他人の騒ぎには口をはさまず傍観、だが自分に火の粉がふりかかると怒りのボルテージが急上昇。パンチやライフルが火を噴く。このあたりのキャラはいかにもという感じで面白い。ジャズピアノを披露する シーンもあるし、結構楽しみながら演じていたのではないでしょうか?レイノルズとのこの勝負、やはりイーストウッドが頭一つリードかな?(笑)

タイトロープ(1984)...ウェス・ブロック

ダーティーハリー4(1983)...ハリー・キャラハン
さすがに前作から少し間が開いたので、ふけたな・・という印象を持つ。が相棒からプレゼントされた犬を連れてるシーンなど、なかなかほほえましい。しかしどこへ行っても歓迎されなくて、見ていて寂しいものがあります。ダーティーハリーというより哀愁のインスペクター・キャラハンて感じ。

センチメンタル・アドベンチャー(1982)...レッド・ストーバル
肺を病んでいるのに酒と煙草をやめられず、チャンスをつかもうとナッシュビルへ甥を連れて向かうカントリー歌手。外部からの暴力によってではなく、自分の内側から蝕まれてズタボロになっていく男という貴重なイーストウッド。マグナムのかわりにギターが相棒、歌を苦しげに(病気のせいもあるからいいのだ)何曲も聞かせてくれる貴重なイーストウッド。 実の息子と唯一の共演という貴重なイーストウッド。こういう作品もあるというのが意味深い。

ファイヤーフォックス(1982)...ミッチェル・ガント
米軍の優秀なパイロットだが、ベトナム戦争時のトラウマを今も抱える少佐。母がロシア人でロシア語堪能ということで、ソ連の新型戦闘機ファイヤーフォックスを盗み出してくることを命ぜられる。始めは恐れ、躊躇していた彼だが、この作戦のために命を犠牲にする覚悟の協力者達の姿を見て決意を強める。戦闘機を操る彼が 見られることと、次々変装するにつれ、彼自身の顔になるのも面白い。ソ連の軍服姿もカッコイイ。

ダーティファイター/燃えよ鉄拳(1980)...ファイロ・ベドー
拳闘、いわゆるストリートファイター。ひたすら拳で殴る殴る殴る。イーストウッドはデカイから、ファイティングシーンは迫力もあって見もの。恋人役はソンドラ・ロック、相棒はジェフリー・ルイスとおなじみの顔で安心して見てられるがやり過ぎの演出に脱力。しかしオランウータンのクライドにはさすがの彼もやや食われ気味? オープニングのレイ・チャールズとのデュエット、これが魅力。

ブロンコ・ビリー(1980)...ブロンコ・ビリー・マッコイ
カウボーイショーの一座の座長。座の経営状態はいつも火の車だが、座員の結束は固い。それもビリーの人間性の魅力ゆえ・・というもの。早撃ちカウボーイとしてバカにされるとブチ切れてしまうが、子供達にカウボーイの夢を見させるためにプロに徹する男。ガンの似合う人ですね、カウボーイスタイルも かっこいいし。馬の曲乗りシーンはある程度自分でこなしてるみたい。ソンドラ・ロックともいい雰囲気がにじみ出てる。妬けるぜ。

アルカトラズからの脱出(1979)...フランク・リー・モリス
脱獄に成功した者が全くいないというアルカトラズ刑務所に送り込まれてきた囚人。彼は緻密に計画を練り、準備を進めて三人の仲間と共に脱獄を図ろうとする。身内もいない、自分の誕生日も知らない、どんな罪を犯したのかもわからないが、知能が高いことだけはわかる男。口数も多くはない謎の多い男だが、とても存在感のある 男というハマリ役を演じている。最初の方で出てくる収容房まで全裸で歩いていくシーン、コレがまずインパクトあり。

ダーティーファイター(1978)...ファイロ・ベドー
ルールに縛られるのが嫌だからプロにならないストリートファイター。動物園から引き取ったオランウータンのクライドを連れて、自己流人生を流れていく男。自由に生き、身を引く美学を感じさせる一面も。ソンドラ・ロックとのラブシーンも熱い。

ウエスタンヒーローズ 西部劇名場面集(2007)

ガントレット(1977)...ベン・ショックリー
しがない警官が、重要事件の証人である囚人の護送を任されるが、その囚人が娼婦でありしかもその護送が失敗に終わると予告され、それを裏付けるかのように命を狙われて、何がなんでも護送してやると意地になり、その娼婦とは心通わせるようになり、バスを借り切って(乗っ取って)強引に護送先に乗り込むという、もう殆ど ストーリー書いちゃったけど、でもそれが魅力の役。ベン・ショックリー、のんだくれててもかっこいい。叩きのめされてもかっこいい。バイクシーンもいい。そして彼は誰一人撃たない。これは重要ポイントかも?

アウトロー(1976)...ジョージー・ウェールズ
テキサスの早撃ちだが、北軍に妻子を殺され、降伏せず復讐のために逃亡を続ける男。渋くてかっこいいですね、ちょっとツバ吐くのがアレなんですが、もしかしたらソンドラ・ロックとの初共演作?ガンマンスタイルになる前、初めの農夫の時の姿(特に帽子)が強く印象に残っている。

ダーティーハリー3(1976)...ハリー・キャラハン
相棒のムーア刑事のハリキリぶりや わかっちゃいない上司の命令に「あーあ」とでも言いたげな表情がいい。しかし長い追跡シーンで走り続けるのは ちょっと苦しそうに見えてつらいものがあるかも。

アイガー・サンクション(1975)...ジョナサン・ヘムロック
ダーティーハリーのようなルックスで、腕っ伏も強くてアイガーまで登っちゃうのだけど、前半の眼鏡をかけた美術教授というのが なんかすごい違和感。どう見てもセンセイには見えません。目がキラッと光って やっぱかっこいいね。

サンダーボルト(1974)...ジョン・ドハーティ(サンダーボルト)
かって手荒く緻密な方法で銀行を襲撃、大金を奪った首謀者サンダーボルト。裏切ったと勘違いしたかつての仲間に追われ、逃げ出したところを若いチンピラのライトフットに助けられ、行動を共にするようになる。若いジェフ・ブリッジスとコンビを組み、無邪気なほどの彼を思いやる大らかさと"仕事"に関しては 妥協も容赦もしない荒業との好対照がかっこいい。困惑をちょっとしたセリフと表情で見せて笑わせるのも彼らしい。しかし牧師姿の胡散臭さは超一級(笑)ストッキング被った顔を拝めるのも大変貴重でしょう。

愛のそよ風(1973 監督)

ダーティーハリー2(1973)...ハリー・キャラハン
前作に比べると 苦渋の表情も深まった気もするけど、女性のハートをとらえる甘い面もうかがわせたりして、孤高のダーティーヒーローも少し人間くさくなってるでしょうか。車のボンネットにしがみつくアクションも ハラハラさせられる。

荒野のストレンジャー(1972)...ストレンジャー

シノーラ(1972)...ジョー・キッド
かつては腕のいい賞金稼ぎだったようだが、今はせいぜい狩りでしか銃を撃たないらしい流れ者。それが悪徳地主のやり口に抵抗するメキシコ人狩りのため、地主に雇われることになる。ゆったりと動きながら機会をとらえてボコッととどめをさすいつものパターン。かっこいいけど、彼の心の内面 の動きはあまり伝わってこない。

恐怖のメロディ(1971)...デイブ・ガーバー

ダーティーハリー(1971)...ハリー・キャラハン
文句無し。どうしてこんなにかっこいいのか。長身で完全に頭ひとつ分人より高い。山田康雄の吹替えも味があって好きだったが、イーストウッド本人の結構やさしげな声と喋りがまたいいのだ。神経にビリッとさわった時の表情がいいし、いきなり悪人に見せる もったいない程の笑顔が どうしようもなくいいんですねぇ。ハリーは何から何まで好きですね。最も好きなヒーローの一人でしょう。

白い肌の異常な夜(1971)...ジョン・マクバーニー
髪もふさふさだし若い!濃いブルーの目が素敵で そりゃこんな伍長さんが迷い込んで?きたら 女性達がいろいろと取り乱すのも無理ないでしょう。が、女性は嫉妬深いからおいしい思いばかりするわけにはいかず、ハンサムが命取り?になるお話。

戦略大作戦(1970)...ケリー
捕虜として連れてきたドイツ軍人から金の延べ棒のありかを聞き出し、それを頂戴しちゃおうと敵地にこっそり乗り込む無謀な計画を立てる元中尉。まわりが恐れをなすような状況でも、とにかく強奪するのみ前向きなことしか考えてない楽天的な男のようだが、風貌雰囲気はいたってクール。何考えてるかわからんと言われそうなタイプ。 テリー・サバラスに首ねっこつかまれて引っ立てられるシーンとかあって笑っちゃいます。ドナルド・サザーランドとも共演、長身同士いい組み合わせ。イーストウッドとしてのとぼけ具合はやや軽め。

ベンチャー・ワゴン(1969)...シルベスター・ニュエル

真昼の死闘(1969)...ホーガン

荒鷲の要塞(1968)...モリス・シェーファー
軍服に身を固めたルックスに、なんてイイ男なんだとホレボレしてたら、そうか、「マンハッタン無宿」と同年の作品なのか。彼の役シェーファー中尉は、ドイツ軍に捕われた連合軍の将校救出のための英国特殊チームにただ一人入れられた米国軍人。一人どことなく浮いてる気分を味わいながら、指揮をとる 英軍少佐スミスについて重要な任務を次々こなしていく。殺しに爆破、実際的なことは全部彼がやらせられる。最後の最後まで後始末してるし(笑)。でもラストの彼の一言がきいてて好感度うんとアップ。

マンハッタン無宿(1968)...ウォルト・クーガン
アリゾナの保安官代理。かつて捕えた囚人の護送任務のため単身NYへ行き、カウボーイスタイルのため都会人の視線を浴び、田舎者扱いされ、それでも"自分流"を変えない男。茶色のスーツにカウボーイハット、先のとがったウエスタンブーツというのがヤケにかっこいい。長身と パリッとした着こなしと男前のせいですかね、すごいイイ男だと思う(笑)。実際女性の口説き方もかなりのものだし。後半のプールバーでの大暴れやバイクでのチェイスが見所になってるけど、私は 逃走した囚人の母親やNY市警でのやりとりのシーンでの会話とかが結構好きだったりする。

奴らを高く吊るせ!(1968)...ジェド・クーパー
マカロニウエスタンで当たった彼のハリウッド凱旋作だそうだけど・・始めからもう殺されそうになる。元・保安官が牛泥棒と間違われて私刑にあい、助かって連邦保安官として彼を処刑した奴らを追う。何度もボコボコに痛めつけられるが、執念がすごい。根は穏やかで優しい人物 だったかも知れないが、殺されそうになったことで火がついたような感じ。彼は痛めつけられる作品多いけど、二度も死にかけるのはこれぐらい?

続・夕陽のガンマン(1966)
ブロンディと呼ばれる"いいヤツ"の役。いいといっても一般にイメージする善人というわけじゃない。賞金のかかっている相棒を突き出し、賞金を受け取って絞首刑にされるところを間一髪助け出すという詐欺を繰り返している。でも根がいいヤツなんですね。ロングコートにジーンズが えらく似合ってかっこいい上に、男っぷりも実に爽やかで最上級。その分、砂漠で引き回された火ぶくれの顔は痛々しい。

華やかな魔女たち(1966)...マリオ

夕陽のガンマン(1965)...名のない男 もしくはモンコ
ひ〜やっぱりかっこいい〜。あの有名なポンチョ姿で長身の彼が、敵と向かい合う緊迫の場面で煙草にゆったりと火をつけ、帽子の影の下で細められた目を敵に向けながらフゥーーッと煙を吐き出す。決して動じることなく、全く多くを語らず、ただただ黙々と獲物に忍び寄っていく。 リー・バン・クリーフとのコンビもつかず離れずで魅力的。馬上でも最高にかっこいい賞金稼ぎ。

荒野の用心棒(1964)
おなじみのポンチョ姿で、二つの勢力が対立する町に流れ着いたガンマン。中立の立場をとりながら金儲けを企む、頭も腕も切れる男。それにこの作品はやっぱり鉄板でキマリです。相手を挑発し挑発し、ギリギリまでもってってバン。力を誇示したがる相手の前でいたぶられてる弱者みたいな顔して バン。相手が抜くまで抜かず、挙句にバン。しら〜っとしてバン。思わずほくそえみたくなる空気がある。少ないながらセリフもユーモアがあってニヤリとさせられる。かっこいいねぇ、まったく。

ローハイド(1959〜66)...ロディ・イエーツ
(第1回〜第16回)牧場主達から預かった三千頭余りの牛を引き連れて市場へ売りに向かうカウボーイ達のドラマ。ボスのギル・フェイバー(エリック・フレミング)以下、ロディ・イエーツ(イーストウッド)、斥候のピート・モラン、料理人のウィッシュボーンを始め、雇われたカウボーイ達の苦しく長い旅が続く。 一話完結でモノクロ、毎回ゲストがいる。牛の群れが河を渡ったり、牧草地で休んでいたりする壮大なシーンも見ものだけど、やはり人間ドラマがいい。南北戦争にふれた話や先住民の話、盗賊やならず者、町の権力者、さまざまな人物が話をにぎわせる。16回まで見て、回が進むにつれてどんどん面白くなってくるし、 ロディ目当てで見始めたのが気がつきゃフェイバーさんもピートもウィッシュボーンも大好きになっていた。フェイバーさん、頭は切れるし実は早撃ちだし、大したカリスマなんだけど、かかわらなきゃいいことでもほうっておけない熱い感情派なところが大変な魅力。ロディのことも大層かわいがってるし。若いロディは、 フェイバーさんの大事な右腕だけど、とにかくすぐ女に騙されるし喧嘩っ早い。でもあの微笑見たら私はヘロヘロです。かわいすぎる。ピート(シェブ・ウーリー)は仕事の出来る大人という印象だけど、彼もたまに子供みたいにごねる時があるんですね。そこが人間くさくていい。そしてウィッシュボーン(ポール・ブラインガー)。 みんなにオッサンと呼ばれてるんだけど、実に味のあるオッサンでもう大好き。ロディもピートもこのオッサン相手だと本音ビシバシでかわいいったらありゃしない。オッサンの料理でみんなが騒ぐ回はいつでも面白かった。そんなだから私は食事のシーンが大好きで。寝ぼすけ達を叩き起こす朝食時、たまにはカードに興じる昼食時、 火を囲んで思い思いに話にふける夕食時。固そうなパンに美味しくないらしいシチューとコーヒー、もう一人の若い料理人マシーも加えていい時間が流れている。とにかくこのシリーズのファンになってしまった今、続きが見たくてしょうがない。

(第17回〜第63回)番組の人気上昇を感じさせる内容充実ぶりと勢いが感じられて、一回一回が見応えあるものとなっていった。あの苦しい長い旅を終えて、みんなが仕事から解放される回も出てきたし、フェイバーさんが故郷のフィラデルフィアに帰って義妹と娘二人との家庭の様子が出てくる回もよかった。さすが俳優さん達、スーツ姿も サマになってかっこいい。そして二度目の旅がスタート、ますます面白いなぁと思っていたら、BS2での放送が終わってしまった。テッド・ポスト監督の回も何度かあったり、若いイーストウッドの成長ぶりも見える。ロディメイン、ピートメイン、ウィッシュボーンメインの回もふえ、その分レギュラーキャラの個性が深まって、 みんなが顔を揃えた時の魅力が倍増するようになっているのも強力。ゲストも多彩で、テーマソングを歌っていたフランキー・レインも登場した。さまざまな思惑や弱みを持った人間が登場、カウボーイ一味を悩ますものの、最後は皆それぞれの弱みと対峙し、解決をみて再出発というラインだけど、大好きです。

壮烈!外人部隊(1958)...ジョージ・モーズレー

二人の可愛い逃亡者(1957)

底抜け西部へ行く(1956)

最初の女セールスマン(1956)

世紀の怪物/タランチュラの襲撃(1955)

半魚人の逆襲(1954)...技術者